1957 グレッチ #6120 チェットア・アトキンス・ホロー・ボディ
九十八万円 3640グラム



          

ディアルモンド社のダイナソニックPUから、グレッチ社オリジナルの新型PUフィルター・トロンへと仕様変更された直後の57年極後期の#6120です。

Gブランド、ウエスタン・インレイといったスペック変遷の部分を無視すれば、2ndヴァージョンの#6120という事になります。

ディアルモンド時代のスペックを受け継いでいる部分としては、ラージ・ヘッド、アルミ製ビグスビー・ハンドル、フラット気味のグリップ・シェイプ、濃いめのウエスタン・オレンジ、といったポイントが挙げられ、それに対してこのモデルからのニュー・スペックとしてはそれまでのハカランダ指板からエボニー指板への変更、それに伴うネオ・クラシカル・インレイ(通称:サム・ネイル・インレイ)の採用、2セレクター、3ノブ仕様、ネックジョイント・ボルトといったポイントがあります。

このギターは程良く使用されてきた経歴があるようで、フレットはヴィンテージサイズに交換され、ネック・バインディングが貼り直されています(その他、ボディ、fホール、ヘッドのバインディングはオリジナルのままでクラック等はありません)。

ネック・ジョイントも非常にタイトでアングルもしっかりしているので弦高も低くビビりも無く、演奏性は最高です。

フィルター・トロンの初期仕様の為、PUカヴァーには何も刻印が刻まれていないプレーン・タイプです。

PUサラウンドと呼ばれる裏からゴールド塗料を吹き付けた外周プラスチック(正確にはアクリル樹脂)も後年の物とは異なりギザの刻みが無い、肉厚なスムース・タイプというのがこの時期だけの特徴です。

フィルター・トロンの採用と並ぶもう一つのこのギター最大の特徴はブレーシングの採用です。

シングル・コイルのディアルモンド時代がボディ内部が完全なフル・アコースティック構造であったのに対し、ハムバッカーらしいウォーミーなトーンが特徴のフィルター・トロンになってからは、ボディ内部にボディ・トップとボディ・バックの間に突っ張り棒のような役割のブレーシングを組み込み、トップ板とバック板の振動を制限しリンクさせる事でハウリングを抑止しようという狙いと、シングル・コイル時代と比較すると損なわれたであろうエッジ感やソリッドさを補おうとする意図もあったのではないでしょうか。

これによりフル・アコースティック構造のモデルには厳しかったオーヴァー・ドライヴ、ディストーションといったゲインをかけたサウンドもある程度はトライできるようになると同時に、トーンの輪郭も太くなりディアルモンド時代とは全く異なるサウンド・キャラクターを持ったギターになったといえます。

ブレーシング・パターンは58年型のバック・ブレースも組み込まれたへヴィー・ブレース・タイプで、トーンのソリッドさで言えば歴代の#6120の中で一番で、音が太いともいえますが、本体重量が58年後期以降の所謂59年型のライト・ブレ―シング・タイプのモデルと比べるとやや重めです。

塗装状態については非常に良好でエクセレント・コンディションといって良いでしょう、ボディ・トップ、バック共に非常に綺麗ですが、ネック裏には演奏に伴う塗装擦れが見られます。

ボディ・カラーについては年代なりの経年褪色が見られ、鮮やかなウエスタン・オレンジから赤味が落ちたややブラウンがかったオレンジになっています、55年の#6120に近いカラーですが、塗装面の艶も良く、美しいオリジナル・コンディションです。

交換パーツについては、

まず、ペグがヴィンテージに近い形状のタイプに交換されています。

ブリッジはこの年式だとオリジナルはストレート・バーの初期型が付いているのだと思いますが、58年後期以降のスペース・コントロール・ブリッジに交換されています。

ピック・ガードはチェット・アトキンス・ロゴの入った良く出来たレプリカですが、57年のオリジナル・パーツではないと思われます。

ナットは本来はクローム・メッキ仕上げのブラス・ナット仕様のはずですが、牛骨ナットに交換されています。

生鳴りは先述の理由によりホロー・ボディとしてはタイトな印象ですが非常に良く鳴っています。

アンプを通したサウンドはフィルター・トロンらしく厚みと、グレッチらしいキレがあり、サウンドのタイトさに特徴があります。

低音の輪郭の明瞭さは他の年代よりも際立っています。

珍しい初期型フィルター・トロン仕様の#6120、バッチリ使えるプレイヤーズ・コンディションで超〜お買い得です!!