1956 グレッチ #6136 ホワイト・ファルコン
$$$ASK$$$ 3540グラム



          

久し振りに縦ロゴ・ファルコンの入荷です!

バーチカル・ヘッド・ロゴ、フェザー・モチーフ・インレイ指板、ファルコン・モチーフ・ピックガード、ディアルモンド社のダイナソニック・ピックアップ、メリタ社のシンクロソニック・ブリッジ、ジュエル・ノブ、そしてキャデラックGテイルピース、という黄金のベスト・スペックですね。

パーツ類はフル・オリジナルです。

ボディ・バインディングにクラックが見られますが年代相応というところで、クシャクシャになってバインディングが欠け落ちるような問題のある状態ではありません。

さて、グレッチと言って、思い浮かべるそのイメージ・ギターといえばどれでしょうかね、

「Gブランド、ウエスタン・モチーフ・インレイ、カウヘッド・インレイ、フィックスド・アームの#6120チェット・アトキンス・ホロー・ボディ」



「縦ロゴ・フェザー・モチーフ・インレイ、キャデラック・テイルピースの#6136ホワイト・ファルコン」

のどちらでしょうね〜。

フィルタートロンの#6120ももちろん最高ですが、どれか一つグレッチ・ギターのイメージ・モデルを思い浮かべるとなると、やはりウエスタンの#6120か縦ロゴのファルコンですよね〜。

憧れ中の憧れ、夢のスペックですよね。

ゴールドのスパークル・バインディングとゴールド・パーツに彩られたホワイト・フィニッシュのゴージャス過ぎるギター、こんなものが50年代に作られているんですよ、信じられませんよね。

いやぁ、美しいですよねぇ、、、

何と言っても最大の特徴はゴールド・スパークルのウイングで彩られた縦文字の「GRETSCH」ロゴですよ!

カッコ良すぎます。

60年代のホワイト・ファルコンは当店もあまり本数を見ていないので全てとは言い切る確証がないのですが。少なくとも50年代のホワイト・ファルコンは縦ロゴ、Tルーフ・ロゴの区別無くヘッド・ピースが真っ白で色焼けが無いのが特徴です。

知らない人が見ると、ボディ、ネックはヴィンテージらしく黄ばんでクリーム色掛かった色に焼けているのに、ヘッド・ピースだけリフィニッシュしているから真っ白なのだろう、と勘違いをされるかもしれません。

少なくとも今まで見てきた50年代のホワイト・ファルコンは全てヘッドピースが塗装ではなくてホワイトのプラスチック板を貼っているんですね。

恐らく、シルバージェット等にも使われているグレッチ社のドラムの「側貼り」用の通称「ニトロン」と呼ばれる薄い樹脂素材だと思います。

その為、経年変化によってクリーム色になったボディと、経年変化による色焼けを起こさないホワイトのヘッド・ストックというコントラストが生じることとなっています。

そのホワイト樹脂材のヘッド・ピースにいかにも手作業で切り欠き組み込んだゴールド・スパークルのウイングとGRETSCHロゴ、よく見てください、下手くそでしょ〜?

ピッタリ切り書いてないんですよ、大き目に抜いておいてスパークル・ロゴとの隙間はパテ埋めで調整しているという、、、。

現在のカスタム・ショップに限らずレギュラー製品は完璧ですよ、もっとキッチリしてます。

でもこのヴィンテージならではの粗さが良いんですよ、手作り感が愛らしいというか、存在感があるんですね。

ロゴの太さとか「T」の横棒の長さとか、毎回違うんですよ、人の顔と同じで一本一本に個性があるんですね。

ヘッドの大きさや厚み、形状の細かい部分まで毎回違ってますから。

現代のギターの様にコンマ何ミリまで指定された図面があってそれをコンピューター入力して機械が寸分の狂いも無く完璧に切り出してゆく、というのとは全く違います。

現代のグレッチ・ギターもカリフォルニアのカスタム・ショップに限らず、レギュラー・モデルの生産を請け負っている愛知の寺田楽器工場においても切り出しを除けば組み込み、最終調整に至るまで完璧にハンドメイドです。

しかし昔の工場はもっとハンドメイドというか、、、人の手に委ねられる部分の精度差が非常に大きかったんですね。

そこで一本一本の個体差が大きくなってくるという。

あくまでもロゴや、コントロール・レイアウトの細かい位置の話であって、楽器としての悪い意味での生産ムラは少ないと思います。

少なくとも工場出荷段階に於いては。

現在ヴィンテージと呼ばれているギターは工場出荷後、50年、60年を経ているのでそれによる経年劣化にも個体差が大きいのであって、一概にヴィンテージ・グレッチは元から作りが悪いという印象をお持ちでしたらそれは間違いです。

ただ、フェンダーやギブソンに較べて、色んな部分でヘタりが出易いという点は否めませんかね。

ヘタったモノを見ればそれは良くない部分は色々あるでしょうし、状態の良いモノを見ればやっぱりちゃんとしてるものなんですよ。

ちゃんとしているものもいっぱい残っています、元々はちゃんと作られていますからね。

さて話が逸れましたが、ヘッド・ストック1つ見てもうっとり見惚れてしまうデザインですよね、グローバーのステア・ステップ・ボタンのインペリアル・ペグが実にお似合いじゃないですか。

ヘッド・ストックのデザインだけで言えば、「カウ・インレイ・ヘッドの#6120」よりも「縦ロゴのファルコン」ですよね、もうこれは間違いない。

最上級フラッグシップ・モデルとしてのスペシャル感が半端ないですよ。

そして指板のハンプトップ・シェイプの白蝶貝インレイに刻まれた羽根柄の通称「フェザー・モチーフ」デザインが秀逸ですよね。

そういえば当店もお店のロゴにはこのフェザー・モチーフをパクらせて頂きました、、、いえ、リスペクトって言うんですかね?オマージュとかいう言葉もありますけれど。

憧れと敬意ですよ。

この指板インレイに刻まれた7個のフェザー・モチーフは全て手作業だと思われます、これもやはり細かく違うんですよ毎回、もちろん基本的なデザインは統一されていますけれどね。

ニードルの様なもので刻んでいるのでしょう。

多分その作業を専門にやっている職人さんがいたんでしょうね、ウエスタン・モチーフとフェザー・モチーフと、更にはカウヘッドなんかををひたすら一日中。

推測ですが、おそらくヘッドの「GRETSCH」ロゴ・インレイのヘッド化粧板への組み込み作業も同じ人がやっていたのではないでしょうか、その職人さんが一人とは限りませんけれど。

指板インレイについてはもう一つ秘密があるのですが、それはまたどこかの機会で公開することにしましょう。

このファルコンに使われているインレイは天然素材の白蝶貝なので#6120のパーロイドの様なセル素材と較べるとギラつきが違うんです、ギラギラと虹色に反射するんですねぇ、、、ちょっとしたところまで美しく作られているんです。

ヘッド・ロゴの隙間はパテで埋めちゃうくせにですよ、、、。

指板材も#6120のハカランダ材に対して、#6136ことホワイト・ファルコンはエボニー材なんですよ、いかにも高級ギターという感じですよね、またこれが、見るからに良さそうな黒檀材なんですよ〜。

真っ黒な指板材にギラつくフェザー・モチーフ・インレイ。

それをゴールド・スパークルと白黒の多層バインディングで縁取っているという、、、。

更には、ヴィンテージのグレッチ・ギターの殆どはネック・バインディングのサイド・マーカーは朱色がかった赤ドットなのですが、ファルコンとペンギンに限ってはホワイト・ドットなんですね。

そんなところまでスペシャルなこだわりがあるんですよ、素敵ですよね。

ボディもディアルモンド社のダイナソニックPUの下にはピックガードと同じようにクリア・プラスチックを内側からゴールド塗装をした特製スペーサーが入っています。

通常他のモデルであれば、ベっ甲柄かもしくは白黒のセル素材のスペーサーなのですが、ファルコンとペンギンに限ってはこんな細かいところまでスペシャル・パーツで彩られています。

そしてファルコン・モチーフが刻まれた17インチ・ボディらしい大型のゴールド・ピックガード、カッコいいですよね〜!

複雑なパーツ構成でギブソン社のチューンOマチックと較べて大仰なルックスのメリタ社製シンクロソニック・ブリッジもゴールド・メッキ仕上げですよ。

コントロール・ノブに至っては白蝶貝とルビーを埋め込んだ特別仕様の通称ジュエル・ノブです。

極めつけはキャデラック・テイルピース。二本の棒に「G」の文字を挟み込んで、テイルピース・トップにはキャデラックのシンボルでもある「V」シェイプを配置しその中を6本の弦を通しテイルピースにしてしまうという発想。

凄いですよね。

しかもこのパーツ、鋳型で作っているのではなくその度毎に棒を曲げ溶接して作っているんですよ、つまりギター毎に毎回微妙に違うんです。

テイルピースのネジ留めヒンジ部分には「GRETSCH」のロゴがお洒落に彫金で刻みこまれています、彫金といっても実際にタガネで彫っているのではなく、プレス刻印ですけどね。

でも、こんなところまでとってもお洒落じゃないですか。

1955年の当時のカタログを見るとこのホワイト・ファルコンのプライスは何と「$600」!ギブソン社のスーパー400の$400に対抗して作られたという一説もありますが、凄いですね。

まぁ、スーパー400も30年代の発表なので1955年に幾らだったのかは分かりませんが。

因みに同カタログで#6120は$385と記されています、カントリークラブのキャデラック・グリーン#6196は$395です。

ファルコンってずば抜けて高額だったんですねぇ。

fホールにまでゴールド・スパークリングが施されているわけですが。やはり白黒層を混ぜたマルチプル・バインディングです。

高級感があってとてもカッコイイのですが、作り手の視点から見るとfホールの丸い玉の部分、こんなきついカーブ曲げて接着するのって大変ですよ〜。

多分熱を加えて柔らかくとかやってるんでしょうけど、それにしてもこんな狭い部分の作業、アメリカ人のでっかい手で大変だったでしょうねぇ。

専門担当の手の小さい人とかが居たんですかねぇ?

多分居ないですよねぇ。

木部加工にしても、ネックのグリップからとてもしっかりしてる感があります。

肝心のネック・ジョイントもタイトでバッチリ、アングルも良好です。

ブリッジ高もしっかりとあり、弦テンションも十分稼がれています、その上で指板上の弦高も12フレット上で1弦約1.5ミリ、6弦約1.8ミリでビビり、音詰まりはありません。

フレットもオリジナルのままですが、ヤマも十分残っていて変に抉れたような減りも見られません。

ボディ塗装のホワイトの色味は程よく焼けていますが、それほど弾かれていなかったギターなんでしょうね。

ホワイト・フィニッシュの塗装にウェザーチェックは見られますが、ネック裏の状態を見ても演奏傷みたいなものはあまり見られないんですよね、つまり状態が良いっていう事なんですよ。

ボディ厚は2 3/4インチ、所謂ディープ・ボディですね。

ボディ内部にはトレッスル・ブレーシングなどが導入される以前の仕様なので完全なフル・アコースティック構造です。

鳴ってます。

メイプル3枚合わせの合板なので、スプルース単板トップのアーチトップ・ギターと較べると鳴りはタイトですが、グレッチらしいシャープでキレのある心地良い響きです。

アンプを通すと、ダイナソニックPUのキャラクターが全面に前に出てくるので、ガチっとした輪郭のシングルコイルらしいトーンながら、ローの太さがドン!と出るので生鳴りとのギャップに驚かされます。

グレッチの黄金期のサウンドですよ。

これは実際にヴィンテージのグレッチをアンプを通して弾いたことがある人でないと共感できないでしょうねぇ、、、音の太さ、厚みと、耳に痛くない抜けの良いシャープなキレの共存、今のギターでは出せないサウンドです。

もちろん今のギターは今のギターでしか出せないサウンドの良さや、きっちりした造りというのは素晴らしいものがあるのですが、どのメーカーもヴィンテージのスタイルを模倣する傾向にあるのでそこはヴィンテージと比較して評価されがちですけれど、本来そうではないですよね。

今の時代には今のギターがあって良いと思うんです。

令和スタイルのグレッチがあっていいじゃないですか、アメリカは令和とか関係ないですけれど、、、。

決してLEDとか、USBとか、ブルートゥースとかそういう話ではなくてですね。

後の時代に、令和の時に作ってたヤツあれ良いんだよ〜、って言われるモノを見たいですよね。

またまた話逸れましたが、今回のこの1955年製ホワイト・ファルコン、スペック完璧、状態バッチリ、サウンド極上、つまり最高ってことですよ。

今後こんなの出てこないですよ〜。




さてさて、今回のギターは、実はアメリカのコレクター氏からの委託品です。

お恥ずかしい話、先方の言い値があまりに高すぎて仕入れられませんでした。。。

コレクター氏はこのスペックで完璧なホワイト・ファルコンはもう出てこないから、お前を信用して預けるんで日本でこれだけの値段で売ってくれ!と託された次第です。

このギターに限りお値段は「$$$ ASK $$$」表示としてHP上では伏せさせて頂きます。

決して安くはないので値段を聞く覚悟を決めてお電話を頂いた方にのみお伝えしています。

ただ、タマ数が全く無い理想のスペックのモデルなので、いわゆる相場感の様なものは有って無いようなものなのですが、現在アメリカではモノが出てくれば言った者勝ちのような感じで、このぐらいの金額で伝えられているのが現状です。

お店に来て頂ければ現物をご覧いただくことが出来ます、中々拝めるギターではないのでぜひぜひ遊びに来てください。